2013-07-23

参院選雑感2

参議院議員選挙は与党勝利で終わりました。
これで衆参両院の「ねじれ」が解消されたとかで今後は政治は良い社会を作りやすくなるそうです。
私の目には「衆参のねじれ」はいつの間にか争点として持ち出された感じでしたが世の中の趨勢はその辺りをどう見ていたのでしょう。

「ねじれ」は複数の院を持つ以上もともとごく普通に在り得るわけで、良かれと思って布いている二院制が良い社会を作れない理由だと言って争点にし実際に今回の選挙でそれを解消させたのですから 今後同じ轍を踏まないためにも次国会から現与党は先ず最初に日本を一院制にするように強く動き出すのでしょうか。

拙考ですが法が謳っている二院制の根拠には充分理があるように思えますし、その理を阻害しているのはむしろ社則レベルの各政党の党議拘束なのではないでしょうか。
社内の中だけであれば人事の力関係は明らかにあるでしょうから社則の縛りは相当に強いことも在り得るでしょう。

でも国民にとって議員は古参も新人もなく全て一議員であることが法の建前で 法の建前が最も尊重されなければならない場所で個別組織の人事の力関係のほうが強く機能してしまうことのほうがよほど問題だと思います。
自社の社則を省みることのない人に二院制を規定している法のことなど語って欲しくないなぁと。

ところで政党が自党の議員に党議拘束をかけなければならないと言うのは 多くの(特に大きな)政党にはそれぞれの政策について右から左、賛成から反対までの議員がいるからなのかと思います。数の勢力が欲しい政党と議員ポストが欲しい候補者とのお互い様同士、その意味では政党は政治団体というよりは選挙互助会として寄ってくる人を沢山抱えているのかもしれません。

そういう人は右の集まりに行けば右のことを、左の集まりに行けば左のことを、行く先々でウケの良いことを言うのでしょう。
だとしたら党は党として通したい議案があれば党議拘束をかけるでしょうし、そんな日和見議員にとっても党議拘束をかけられることが意に添えなかった支持者への方便にもなるのでしょう。


半年ぐらい前だったかな。
「国会議員白書」 http://kokkai.sugawarataku.net/ というウェブサイトを見つけました。
「全ての国会議員の公的活動を集約、記録、公表する」と紹介しています。

たぶんその後はネットの時代になってきたので紙の体裁のものは無くなったのだろうと思いますが2000年の衆議院選挙の直前には↓こんな本も出ました。

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衆院選立候補予定者および参議員の現職議員を政治家評定会議独自のアンケートによりおこなった調査からその理念と公約を公表した政治家ガイドブック。

地域ごとのブロックに分けて配列した衆院選候補者リストとアンケートおよび参議院現職議員アンケートを収録。

アンケートの内容は財政赤字再建、政治とお金、憲法、地球規模の環境破壊、住民投票、政治倫理について記号の選択あるいは優先順位によって回答。

各立候補者のデータとしては選挙区分、所属党名および派閥、議員歴等を掲載。

人物データは5月10日時点、回答は5月15日時点で回答済みのものによる。
また、巻末にはアンケート結果の主要政党別の反応等についてグラフで示したものなどの衆院選データを収録。
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今後議員さんの行動は第三者によってもっと記録され 立場や主張の一貫性や変節、時代の変化への対応力、それらが多くの人の目に触れる時代になるのでしょう。

上の本では政治家として常に答えを用意していないといけないであろう設問に「無回答」の人も散見されました。

本当に何も考えていないのかも知れないし、行った先々で違うことを言っているので こういう記録が残るところにはうっかり回答できないのかも知れません。

しかし いずれにしてもだんだんそういう人では議員になれない環境になってくることは間違いないのでしょう。

今回のねじれ解消でしばらくは大きな選挙は無いと言われていますが
先々 あと二回ぐらいの選挙後は世の中はずいぶんと変わるのではないかなと予感しています。



ところで上記のようなまとめサイト。
政治評論家や経済アナリストの言質のも出てきて欲しい。