2011-06-21

肩書きとか(20110619)

日曜の朝、政治討論番組を観ていてふと。

震災の傷跡は大きく、未だ手当てのつかない所も多く。
識者の誰かが 各省庁から人員を出して現地に復興庁を作ったらよいとか言っていました。
(*このエントリーをupした21日には今週中に復興庁が出来ると言っています)

確かにたぶんその通りだと思います。

そして復興庁を作ったら 誰かが復興庁長官になるのでしょう。

普通の会社の「社長」や「専務」、「課長」、「部長」とかの役職と役職名としての肩書き。
役職名はその人の属する組織の中でのその人の権限の範囲を内外の人に表すものだと思うんです。

組織の内外から何を提案しようと思ったとき
提案の内容のレベルで誰が決済権を持っているのかを表す言葉で
少なくとも名誉称号であって欲しくはないのです。

話があちこち行ってしまうけど、
テレビでよく見るコメンテーターで
○○(会社だか財団の名前)の「シニアフェロー」という肩書きの人がいて
いつも この人って どういう立場なのだろう なんて思ってみています。

私が浅学なのは自覚していますが、
その役職名を聞いてその人の立場が分かる人ってどのくらいいるのかな
なんてことが気になってしまって いつもその人のコメントよく聞いていない自分がいます。

言う側はその言い方しかない と思うのでしょうけど
実務的な語彙とか受け取る側が分かることに最大の目的がある言葉は
なるべく平凡な表現をするべきだと思うんです。

で 本題に戻ります。

復興庁長官というポストが出来たとして
彼の権限で決済しなければならないことの多くは
既にある官庁が本来業務を行なう上で持っている権限を制限したうえで
自分のアイデアを通せる権限が無いと実行できないことばかりだと思うんです。

庁の上部組織の各省やその各大臣は
一新設庁の長官に自分たちを超える権限を渡すことが出来るのでしょうか。

阪神や中越の震災のときも言われた「日本版フィーマ」はそれ以上の話にはならないし、
近年創設の消費者庁も前身が 内閣府、厚生労働省、農林水産省、経済産業省、国土交通省などの一部なのだそうですから もともと守備範囲はすごく広いと思うんですが、
正規職員が約200人だそうで、省より下位の庁です。(財務省は本省だけで約1万5千人)
他にも実働組織が無い行政刷新大臣とかの内閣府特命大臣とか。

権限の範囲が不明だったり決まっていなかったり実効性が無かったりなのに
言葉だけ聴いたらさぞかし偉そうに聞こえる役職や役職名が多すぎるように思います。

そういえば民主党。
私も政権交代に大きな期待をしましたし、担った以上は今もがんばって欲しいとも思ってますけど
あの組織も役職名やその権限が分かりにくいんですよね。

「代表」が1人はまぁ良いとして…
「最高顧問」(?なにそれ)が2人。(代表と最高顧問、どっちが偉い?)
さらに「代表代行」が2人いて「副代表」も6人。(どっちが優位?)

「幹事長」と「幹事長代理」が1人づつ…、
そして「副幹事長」が11人いて その他に「筆頭副幹事長」も1人。
その他のポストも「~長」以外に「副~」や「~代行」「筆頭副~」とかがとても多い。
(各役職の人数は2011年6月19日時点のwikiより)
それに役職無しの一兵卒までなにやら沢山権限を持っているみたいだし。

裏で2重構造があったとしても
表の佇まいまでこんなに分かりにくいと
いろんな提案や訴えも窓口にたどり着く前に力尽きてしまいそうです。

子供の頃 都、道、府、県 はどう違うの?
人口とか規模の違い?「北海県」じゃ語呂が悪いから?
質的に同じなら (学校で)覚えなければいけないことは
なるべく少なくしてほしいなぁ と思っていた少年時代でした。 

実は今も良く分かっていないんですけど たとえば知事会とかでは
都知事、道知事、府知事、県知事 の(実質的にはあると思いますが)
権限としての格の違いってあるんでしょうか。
どうも税金が原資になっている組織やその事業内容は
わざと分かりにくいように作っていると思えてなりません。

でも…しかし… こんなネガティブなことを長々と書いているのは
読んでくれた人にも 書いている私自身にも良くないですね。

この震災による原発被害にポジティブな支援をしている
城南信金について友人がとても素敵な記事を書いていたので
↓それを紹介してこのエントリーを終わります。
Photo by YO-RI 「日々雑食」