2013-06-19

椅子アンプ(20130613)

以前「ポータブルアンプ」のエントリーで
→このアンプを作ったことを紹介しました。

作った と言っても回路は既製品(thin amp)からの流用です。
リバーブなどのエフェクトが充実した小型アンプとして持ち歩きにはすごく便利なthin ampでしたがアンプが小型でもそれ以外の荷物もありますから実際の移動時にはけっこうな荷物になるわけです。

そこで U1ラックのエフェクター二台を処分したとき残ったえエフェクターケースにthin ampから外した回路とスピーカーを取り付け、他の機材も結線したままで中に入れて運べる荷物ケース兼用のアンプを作りました。

で これはこれで現役だったりしますが これを作ったときとは多少機材が変わってきているので更に現状への最適化としてもう一つアンプを作ってみました。


自分は道具や物事の良し悪しを見る目や勘は決して悪くないほうだと思っています。

ただ 個人の持ち物は持ち主から見ても道具から見ても互いの能力にあまり過不足が無いことが最も重要だとも思っていて、

あまり謙虚過ぎる道具は自虐的過ぎるし、逆に使いこなせないほどのオーバースペックな道具を持つのも居心地が悪くてしかたがありません。

持ち主が充分使いこなしている上で自身の資質や能力より 少し良いものを使っているぐらいが 今の自分を更に向上させたいという気持ちも良く伝わり好感を持ちますし私自身と道具の関係もそうでありたいと思っています。


ところで 私がアンプを使う場面の範囲だと 馬力はあまり必要ないんですが やはり持ち歩きがしやすく、リバーブ搭載で多重演奏の音源にノートPCを使うようになって以降は電池駆動が良く、さらにアンプが電池で動くならミキサーも持ち歩きたくないので入力が数系統取れるものなら尚可です。
(音色は私が使う場面での音量であればアンプシュミもあるので最近のデジタルアンプの回路で特に問題は感じていません。)

thin ampの入力はギター+AUXの2系統でいちおう念のためにミキサーを持って歩いていたり、thin ampもミキサーもコンセントが必要で 基本的にとても便利なものでしたがそれでもその辺りにチョッと煩わしさを残していました。

そこで何年か前に使い始めたのがローランドのモバイルキューブ
モバイルキューブは入力系も多く 電池駆動なので まずまず一つの理想は実現できました。

がしかし。モバイルキューブに限った事ではなく小型アンプ一般に。あるいは本格的な大きなPAでも一つのスピーカーの指向性はそんなに広くないので箱型1スピーカーのアンプだとアンプの正面以外、指向性の外側だとあまりよく聞こえないことがあります。
この件に関してはアンプの馬力の問題ではなくて スピーカーの数や向きの問題です。
例えばBOSEがこれ一台で100人規模なら全ての客席に音が届くと謳っているL1システム
これも中身は6つの小さなスピーカーがいろいろな方向を向けて取り付けてあるのでスピーカーの指向性というものは製品のクォリティとは別にそもそもそういうものなのだと思います。

そこで今回の工作です。
先ず モバイルキューブを分解。















スピーカーを少し両脇+上方に向けたケースを作ってマウント。
面倒な形だったのでケースは工作しやすい5mmの合板です。材料としては薄いのですが
この後もっと頑丈な外ケースに接着するのでこの部分はこれで良しとしました。










基盤は底に入っています。
オリジナルでは箱の両脇に配置されていた
入力端子部分の基盤と電源スイッチ部分の基盤は箱の後ろに出すようにしました。

基盤の向きを変えると 基盤同士を繋いでいたコードが届きません。
そこでコードを中間で切って付け足しているのでなんだかゴチャゴチャしていますね。

本当ならコードを基盤から外して改めて長いコードをつければ綺麗なんですけど
コードの付け外しのときハンダの熱で回路を壊したらアウトなのでこんな風にしました。

ACアダプターで使う機会が多いと思いますが電池もOKなので電池はケースごと取り替えられるように外付けです。6P電池のスナップにしたので最悪6P電池も使えます。

ボリュームやエフェクトのコントローラー部分の基盤はアンプ部分の基盤と11本のコードでつながれていました。 要するにコードが長ければケースの外に出せるのでそのようにしてみました。

11本分のコードをどういう風にしようかと思ってしばし逡巡。
いろいろ考えた挙句にコネクターの付け外しが簡単なので8芯のLANケーブルを2本でつなげようと思いLANの端子を買いに外出。

お店でLANの端子を探していたら D-sub15ピンの文字が目に。

おぉ!1本で11本入るのがあったか!そんな訳であっさりモニターケーブルで接続に変更。
手元にコントローラーがあるとリハ時点の音量チェックやソロの演奏中とかとても便利なことが多いはずです。


そして完成。
こういうふうにオリジナルのケースから出すとどこか上手くアースが取れていなかったりでノイズが出たりすることもありますが 今回はそんなことも無くまずまず良い感じです。

それとこのアンプは椅子としても私がギターを弾くのにちょうど良い座面の高さと深さになっています。
つまり私の股の間から音が出てくるわけですが
このアンプは今週末の↓こちらのライブでデビューなので まさに産声です。